2年前に私に彼氏ができたのは東村アキコの『東京タラレバ娘』を読んだからです。
悶々としているここ最近。
いや、悶々としていることがデフォルトになりつつある、ここ数か月。
いやいや、悶々としていることに慣れすぎて、それが自分のキャラであると認識して自虐したり、落ち込んだりしてみるものの特に気が晴れないここ数年。
何かにすぱーんとあっけらかんと夢中になりたいのです。本当に、心から。
しかし、理屈とかプライドとか負の経験が邪魔をして、ストレートに向き合えない。
これが文字通り、こじらせている状態 なんだと思います。
だから、すぱーんとタイトルの通り、2年前なぜ私に彼氏ができたのか、つづろうと思います。
前提:男はバカだ、男に媚びる女はそれに輪をかけて愚かだ、という姿勢
私をご存知の方は分かると思いますが、まさにこのタイトル通り、私の中で18歳くらまで男性は、短絡的で、見栄とプライドで生きている、バカな生物だと思っていました。
とにかく、勝負に勝つ、モテる、目立つ、ことが生きがいで、繊細さやデリカシーというものをお母さんのお腹の中においてきたとしか考えられない未熟で不明な物体でした。
これは、女兄弟しかおらず、女子校で育った私の未熟さ、おぼこ感をむき出しにした意味不明の暴力行為と今では分かりますが、当時の私は結構本気でそう思っていました。
さらに、意味不明だったのが、そんな不可思議な生物に媚びを売ろうとする女の子の存在でした。もてる仕草、かわいいスタンプ、もてるファッションの研究に時間と労力を費やす女子は、理解不能。男はバカだと大声で叫ぶ仲間であるはずが、そこにすり寄っていく裏切り者!という文脈ではっきり言って嫌いでした。
こんな、はりねずみハートな思想の私が大学でモテるわけもなく、、
けっ、やっぱり男はバカだ、それに媚びる女はもっと愚かだ、という実績を積み上げていったのです。
しかし、本音は、
(でも、なんでそんなに楽しそうなの ( ゚Д゚))
(私も入れて。。。)
です。そらな。
面白いやつは、恋愛なんかなくたっていいという強がり
それから数年して、私もそれほど多くはないものの、人並みくらいの数の恋愛は経験し、さすがにおぼこいひりひりするイタさはなくなってきた頃。
新しいイタさが到来します。
恋愛ってべつにあってもなくても、どっちでもよくない?
気の合う人とつるんで、自分が面白かったら、恋愛にこだわっているのはカッコ悪い。
彼氏とか恋愛がすべてじゃないし、だから何?
すごいさばけた人だと思いたい&思われたい感がひしひし伝わってきます。
恋愛は「オプションだ」、いい人がいれば付き合う。みたいなテンション。
しかし、あなたの気の合う人ってさ、同じような考え方の女の子じゃないですかーー??
何か恋愛沙汰があれば、傷つく前に「ネタだ!」と傷ついた気持ちをすり替え、どういう風に周りに報告したら最高のネタになるかのストーリー作りに心血を注ぐ。
ほんっと相手に失礼ですね。
どんなに話がつまんないやつでも、顔が好みじゃなくても、土俵に立っていない私のほうが数倍カッコ悪い。
本心は、やっぱり私だってかっこいい彼氏と仲良くしたい、クリスマスディナーとかディズニーデートとか、箱根1泊旅行とかべったべったなことしたいくせに、それは引き出しの奥の奥の奥の奥にしまって鍵をかけちゃうんです。
そろそろ、やばみと気が付いてくる
増えていくネタ、楽しい女子会トーク、男&男に媚びる女こき下ろし合戦、ですが、本心の乙女心に吹きすさぶ嵐。こっちんこっちんのピュアラブ♡は、凍死寸前。
このあたりで、『東京タラレバ娘』に出会いました。
東村アキコさんが書いたアラサー(漫画だと33くらい?)女子にがんがん辛辣発言するイケメンくんと白子とレバーが出てくるこの漫画。
まぁ、この辺りですよね~~
モデルのイケメンくんと一夜を過ごした後に・・・女子会で報告している主人公にいった一言。
『東京タラレバ娘』2巻
『東京タラレバ娘』5巻
ひえぇぇぇ、恐ろしい。
自分の素直な気持ちを何重にも蓋をして、鎧を着ていることに気づかせる漫画です。
今では、それはそれでいいとも思いますが、当時の私にはぐさぐさ来たわけです。
ささりすぎて、先が読み進められなくなって途中で読むのをやめたくらいです。
バカにしていた合コンの「さしすせそ」を見直す
そっから頑張りました。
今までバカにしていた、合コン、街コン、マッチングアプリ、紹介、なんでもやってみました。
中でも苦しかったのは、合コンのさしすせそ を見直したこと。
合コンのさしすせそとは、女子が連発する好感を持たれると言われていた必殺の相槌のこと。(もはや古いのかもしれん)
内容は・・・
さ さすがだね
し 知らなかった
す すごい
せ センスある
そ そうですね
なぜ?なぜに?初対面の合コンにくるような人にこの言葉を連発すんのか??
と心底バカにしていたこの言葉たちに土下座して謝りました。
使わせてください。私のスムーズなコミュニケーションのためにって。
合コンって人の本質を探る面接じゃなくて、
ライトなやりとりでその場を楽しむ遊びなんです。
その結果としてもう一度会いたいと思える人に出会えたらラッキーくらいのただの飲み会。
それに力が入って、こいつは私と張るくらいの面白いやつか!と男にジャッジを下していた謎の女が私です。
街コンも行きましたよ。
合コンも何度も行きましたよ。
マッチングアプリで3,4人は会いましたよ。
あとは、男友達に積極的に連絡するようにしてみました。今までなら、仲の良い女の子にしていたどーでもいい話を、ちょっと仲良い男友達にしてみました。
男の人と普通にやりとりする練習です。そして、仲間の飲み会とかに誘われたら気軽に行ってみる。てきとーに。
案外、異性だと優しくなれる感があって、運がよいとおごってくれたりする。
自分もちょっとはお洒落する。イイコト。
冷やかしじゃなくて、できるだけニュートラルに、誠実に接してみましたとも。
ちょっとかわいいワンピース着たりするの疲れたし、帰って寝たいなと思うところ緊張したり、しょーもなと思ったこともあったけれど、少なくとも 自分は女だ!という自覚は着実についていきました。土俵にあがった感はありました。
無駄なく、素敵な人には出会えない、ってやっとわかりました。
効率、打率 はいったん置いておかないと。
そして、いちいち友達に報告してネタにしない!!
ネタじゃないもん、本気だもん、ということで。
意外なところで彼氏ができる
そうやって真面目に恋愛活動に従事していると、色んなパターンを経験していきました。
1.自分がちょっと気になるけど脈がなさそうな人
2.私のこと気になっているなと思う人
3.友達としてはいいけどないなと思う人
4.単に身体目当てっぽい人
みたいに、複数の人と連絡を取り合っていると、いい意味で誰でもよくなってくるんですよね。男の人だっていっぱいいるし、ここの層からは需要ある感じ、ここはまったくダメな感じ、とつかめてくるのもある。
そーこーしてるうちに、友達の友達と、すんなりと付き合うことになりました。べつに合コン的な場ではなかったので、すごく意外でした。
きっと人とのやり取りが軽くなってたんだと思います。
そんないい感じの波長で出会いが到来した、ごく自然だ。
彼氏がいてもいなくても別にどっちでもいいと思うんですが、
自分の気持ちに蓋をしてるといいことないね、と悟った2年前のわたくし記録でした。